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もぐら不妊治療日記

低AMH・高FSH 35歳の不妊治療日記

夫の祖母

日曜、夫と共に老人ホームに入所中の夫の祖母に会いに行った。夫の祖母に会うのはお正月に義実家に泊まった時以来。


夫の祖母は高齢ながら頭がしっかりしていて口が達者な人だった。会う度に禁煙をする様に説教が始まるので、夫はあまり会いに行きたくないようだった。夫の祖母はいつも家族の心配をしていて、義姉が結婚する前は、相手もいないうちから早く結婚する様にうるさく言っていた。



前に老人ホームに会いに行ったのは去年の敬老の日だった。夫は会いに行きたがらなかったが、敬老の日位は行った方が良いからと私から会いに行こうと誘って行った。



その時は義姉に赤ちゃんが出来たため、結婚が決まったことを夫の祖母は喜んでいた。そして夫に言った。
「あんた早くこども作らないから、お姉ちゃんに負けちゃったでしょ。早くお父さんとお母さんを安心させてあげないと。あんたは長男なんだから。あ、もぐらちゃんは良いんだからね。◯◯(夫)に言ってるんだからね?」




私も夫も何も言えず、苦笑いするしかなかった。



帰りの車の中で、夫は私に謝った。ごめんね嫌な思いしたでしょ?って。私は何とも思って無いよと言った。こどものことは言われると思っていたし。別になんともないと思っていた。
でも、「前はあんなにお姉さんの結婚の心配ばかりしたたのに、今度は私たちなんだね。先にお姉さんが妊娠したら私たちは負けなんだね。」と、おばあちゃんから言われたことを口から出して確認したらどんどん涙が出てきた。止まらなくなって、夫が運転する車の助手席で声を上げて泣いてしまった。



私たちがいくら2人で頑張ってもこどもがいなければ負けなんだ。義父のコネで入った会社でデキ婚して会社に迷惑を掛けている義姉でも、おばあちゃんにとってはこどもがいればそれで勝ちなんだ。私たちは努力していない訳じゃなく、2人で努力して、お金をいっぱい掛けて、体外受精をして、時間を掛けて、それでもこどもに恵まれないのに。35歳を超えて会社の同僚とデキ婚する義姉に私は負けているんだ。こどもが出来なければ負けなんだ。私はこどもが出来ないからいつまで経っても認めてもらえない。私のせいでこどもが出来ないのに、夫に嫌な思いをさせてしまった。堪えても、涙が止まらなくて声を上げて泣いた。



夫は困ったような怒ったような顔をしていた。だから会いに行くのが嫌だったんだ。こういう風になるのは分かっていたから。もうばあちゃんのところへは行かないから。と言っていた。




おばあちゃんを嫌いになった訳じゃない、会いに行かないなんて言わないでと言う私に、夫は「俺が嫌だ。腹が立った。会いに行ったらばあちゃんを嫌いになりそうだからもう行かない。」



それから夫と会いに行くのはやめた。会わなくて済むことに内心ほっとしていた。



日曜、久しぶりに会った夫の祖母は前とは変わっていた。食事が食べられなくなっている話は義両親から聞いていたが、夫が話しかけてももう応えることは出来なくなっていた。元々痩せていたから、食べることが出来なくなったら急激に弱ってしまった様だった。



高齢だから、いつ何があってもおかしくないから、だからもっと夫を連れてきてあげなくちゃいけなかったのに。私は自分が傷付くのが嫌だったから夫の祖母に会うのを避けてしまっていた。年寄りの言う事だから、間に受けず流して聞いておけば良いのに、私は自分の感情を優先させていた。義実家で同居していたおばあちゃんが夫や義姉の心配をするのは当たり前なのに。



今になって後悔している。もっとおばあちゃんが夫のことを認識出来る間に会わせてあげれば良かった。夫が嫌がっても私は大丈夫だから行こうって会いに行かなければならなかったのに。私が弱いから、夫を連れて行けなかった。