AX

もぐら日記

低AMH・高FSH 顕微受精を経て妊娠した 35歳の日記

二人でいられたことが幸せだったことに今更になって気づいた話


沖縄に行きたい。けど、今年はお金を貯めなきゃならないからどうしても行けない。だから去年行った沖縄のことを思い出していた。


去年は始めての体外受精の採卵が終わり、移植に向けてピルで体調を整えている最中に沖縄に行った。夫婦で沖縄に行くのは2回目で、観光地は1回目に色々行ったから二人でゆっくりしようと決めていた。


安宿に泊まって、宿の自転車を借りて夜中にスーパーまで走ったり、ベランダに出てアイスを食べたり、公園で散歩したり、亀を見に座間味島に船で行ってビーチで亀と泳いだり、市場をぶらぶらしたり、猫を触ったり、とにかく最高に楽しかった。朝からむわーっと暑くて、「何この暑さ!最高なんだけど!!」と二人で話しながら毎日出掛けた。




そして、今後あのように二人で旅行するのは出来なくなるっていうことに気がついた。ちびが産まれたらちびが最優先で、二人で好き勝手に遊んだりは出来ない。




私は結婚してからとにかく早くこどもが欲しくて、こどもが出来ないでいる毎日が幸せでは無いと思っていた。よく子持ちの人とかには「良いなぁ二人で出掛けられるなんて、こどもいたらそんなの出来ないからね。羨ましい。」と言われたけど、こどもが欲しい私にはその言葉は全く響かなかった。こどもがいる方が幸せに決まってるじゃん、夫婦で旅行なんか出来なくてもこどもがいるならそれだけで良いじゃん!と、思っていた。夫は「こどもなんかいなくてももぐらちゃんがいれば良いよ。こどもがいたら出来ないこといっぱいあると思うし。」と言っていた。でも、私には響かなかった。こどもがいて出来ないことがあっても、こどもがほしかった。



生理が来ては泣き、体外受精をすればすぐに結果が出ると思っていたのに全然卵が育たずに泣き、こどもが欲しいと思うようになってから私は本当に泣いた。「こんなに泣く大人はあなた以外に見たことないよ。」と夫には言われていた。



でも、あんなに泣いて苦しんでいた日々も、いつも夫と仲良くいられた。二人で笑いあって、一緒にお風呂に入って、いつも腕を組んで寝た。




私が小さい頃、私の両親は不仲で、喧嘩の絶えない夫婦だった。会話も全然なかったように思う。私はそんな両親を見て育ち、こんな家で育った自分はきっと結婚しても幸せになれないと思っていた。でもそんなことは無かった。夫と結婚して、友達からも親戚からも「本当に仲良いよね。」と言われている。大好きな人と結婚して、いつも仲良くいられて、私は昔夢見ていた暖かい家庭を築けている。





ずっとこどもが出来なくて悩んで苦しんでいた日も、いつも二人でいられた。ちびが産まれたら、もう二人ではいられなくなる。今まで当たり前に出来たことが出来なくなる。これまで二人でいられたことは、本当はすごく幸せなことだった。これからは二人ではなく、三人になる。夫婦二人でいられる時間はあと少ししか無くなってしまった。私はこどもが出来なくて不幸な人では無く、夫婦仲が良くて幸せな人だったはずなのに、今までずっと気付けなかった。




あと少しの二人の時間を大切に、ずっと忘れないように生きていきたい。